意見聴取とは?派遣先企業が実施すべき手続きのステップバイステップガイド
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目次
意見聴取の目的:「雇用の安定」と「直接雇用の促進」
意見聴取とは、派遣先企業が、事業所単位の期間制限(3年)を迎え、その翌日(=抵触日)以降も継続して労働者派遣を受け入れようとする場合に、自社の労働組合などに対して「派遣の継続について、どう思いますか?」と、その意見を聴く手続きのことです。
この制度の目的は、派遣という働き方の無期限利用を防ぎ、派遣社員の雇用の安定を守ることにあります。企業に対して、延長する前に一度立ち止まって「その業務は本当に派遣でなければならないのか?」「直接雇用する選択肢はないのか?」と、自社の従業員の意見も聞きながら検討する機会を与えるための、重要なセーフガードなのです。
【重要】延長できるのは「事業所単位」のみ 意見聴取によって延長できるのは、工場やオフィスなどの「場所(事業所)」に対する期間制限です。「個人(人)」に対する3年制限は、この手続きでは延長できません。
派遣受入期間延長に不可欠な「意見聴取」ですが、いざ実施するとなると、「誰にいつ、どう進めれば?」と迷う場面も少なくありません。 法違反のリスクを回避し、確実かつスムーズに手続きを完了させるために必要な「4つのステップ」について確認していきましょう。
まず、誰の意見を聴くのかを正しく決めなければなりません。法律で定められた優先順位は以下の通りです。
過半数労働組合: 事業所に全労働者の過半数で組織される労働組合がある場合。
過半数代表者: 組合がない場合。管理監督者ではない労働者の中から、投票や挙手といった民主的な手続きで選出される必要があります。
※注意: 聴取先は派遣社員本人ではありません。「自社で雇用する労働者の代表」である点に注意してください。
意見聴取を実施する前に、判断材料となる情報を書面で提供します。これは「抵触日の1ヶ月前の日まで」に行わなければなりません。
提供すべき情報: 延長しようとする期間、抵触日、派遣労働者の数、従事する業務の内容など。
書面での情報提供後、実際に意見を聴きます。説明会や面談の場を設け、対面で実施するのが最も丁寧で望ましいでしょう。「なぜ派遣期間を延長したいのか」という事業上の理由を誠実に説明し、真摯に意見を求めます。
意見聴取を行ったら、その内容を記録(議事録作成)し、3年間保管します。また、聴取した意見の内容を掲示板などで事業所の全労働者に通知(周知)するまでが義務となります。

実務を進めるなかで「こんなイレギュラーな場合はどうすれば?」と、判断に迷う場面も多いのが「意見聴取」の難しいところです。 現場で直面しがちな疑問や、担当者が抱えやすい不安を解消するために、知っておきたいポイントをQ&A形式でまとめました。
派遣先企業の「意見聴取」は、単なる形式的な手続きではありません。それは、派遣という働き方について、企業が自社の従業員と向き合い、その声に耳を傾ける重要な「対話」の機会です。
この手続きを法令通り誠実に行う姿勢こそが、コンプライアンスを遵守する健全な企業であることを示し、自社の全従業員、そして派遣社員からの信頼を勝ち取る土台となるのです。


