【2026年度版】派遣の3年ルールとは?抵触日・延長手続き・クーリング期間をわかりやすく解説
更新日:9月22日

目次
派遣の「3年ルール」とは、労働者派遣法で定められている派遣期間の制限です。派遣先が派遣労働者を受け入れる際には、「事業所単位の期間制限」と「個人単位の期間制限」の2つを確認する必要があります。
事業所単位では、同一の事業所で派遣を受け入れられる期間は原則3年です。ただし、過半数労働組合等から意見を聴取するなど、所定の手続きを行うことで派遣可能期間を延長できます。
一方、個人単位では、同じ派遣労働者を同一の組織単位(「課」など)で受け入れられる期間は3年が上限です。
つまり、「派遣は3年まで」というルールは、事業所全体にかかる制限と、派遣労働者個人にかかる制限を分けて管理することが重要です。

この2つの期間制限は、対象となる範囲や抵触日の考え方が異なります。
まずは、派遣先の事業所全体にかかる「事業所単位の期間制限」から確認していきます。
派遣先の同一事業所で派遣労働者を受け入れられる期間は、原則3年が上限です。これは特定の派遣労働者1人ではなく、その事業所全体の派遣受け入れ期間にかかる制限です。
たとえば、ある工場で2026年10月1日に初めて派遣の受け入れを開始した場合、原則として2029年9月30日までが派遣可能期間となり、2029年10月1日が抵触日です。抵触日とは、期間制限により、そのままでは派遣の受け入れを継続できなくなる最初の日を指します。
3年を超えて派遣を受け入れる場合は、抵触日の1か月前までに、過半数労働組合等への意見聴取を行う必要があります。

事業所単位の期間制限を確認したところで、次は同じ派遣労働者を同一の組織単位で受け入れられる期間について見ていきます。
同じ派遣労働者を、派遣先の同一の組織単位で受け入れられる期間は、原則3年が上限です。組織単位とは、一般的には「課」や「グループ」など、業務のまとまりがあり、その長が業務配分や労務管理上の指揮監督権限を持つ単位を指します。
たとえば、Aさんを「製造1課」で受け入れた場合、同じ「製造1課」で受け入れ続けられるのは原則3年までです。事業所単位の派遣可能期間が延長されていても、同じ人を同じ組織単位で3年を超えて受け入れることはできません。
一方、事業所単位の派遣可能期間が延長されている場合には、実態として異なる組織単位へ変更することで、同じ派遣労働者を引き続き受け入れられる場合があります。
また、個人単位の3年間は、その派遣労働者が当該組織単位で就業を開始した日から数えます。 事業所単位の抵触日とは別に管理する必要があります。

個人単位の期間制限は、事業所単位の期間制限とは別に管理する必要があります。次に、この2つの違いを整理して確認します。
「事業所単位」と「個人単位」は、どちらも原則3年という点は同じですが、対象となる範囲と延長の考え方が異なります。
事業所単位は派遣先の事業所全体にかかる制限で、所定の意見聴取手続きを行うことで派遣可能期間を延長できます。一方、個人単位は同じ派遣労働者を同一の組織単位で受け入れる期間にかかる制限で、同一組織単位で3年を超えて受け入れることはできません。
では、事業所単位の派遣可能期間を3年を超えて延長する場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。
事業所単位の派遣可能期間を3年を超えて延長する場合は、過半数労働組合、または労働者の過半数代表者への意見聴取が必要です。意見聴取は、原則として抵触日の1か月前までに行います。
意見を聴く際には
、延長しようとする事業所と延長しようとする期間を示す必要があります。延長できる期間は1回につき3年以内で、さらに延長する場合は、改めて意見聴取が必要です。
また、意見聴取を行わないまま抵触日以降も派遣の受け入れを続けると、期間制限違反となる可能性があるため注意が必要です。

派遣可能期間を延長する場合は、抵触日前の手続きを適切に行うことが重要です。次に、派遣の受け入れ期間が途切れた場合の「クーリング期間」について確認します。
派遣の「クーリング期間」とは、いったん派遣の受け入れを終了し、次の派遣開始までに空ける期間のことです。派遣終了から次の派遣開始までの期間が3か月を超えない場合は、派遣が継続しているものとして扱われます。
一方、3か月を超える空白期間がある場合は、期間制限上は新たな派遣として扱われることがあります。これは、事業所単位・個人単位の双方で考え方があります。
ただし、派遣可能期間の延長手続きや3年ルールを回避する目的で、意図的にクーリング期間を設けることは法の趣旨に反します。 形式的に期間を空ければよい、という考え方ではない点に注意が必要です。

クーリング期間の考え方を理解したうえで、次に、3年を超えて派遣を受け入れられるケースについて確認します。
派遣の3年ルールには、期間制限の対象外となるケースがあります。厚生労働省では、無期雇用の派遣労働者や60歳以上の派遣労働者のほか、一定の業務については事業所単位・個人単位の期間制限が適用されないとしています。 主な対象外ケースは次のとおりです。
派遣元で無期雇用されている派遣労働者
60歳以上の派遣労働者
終期が明確な有期プロジェクト業務
日数限定業務
産前産後休業・育児休業・介護休業などを取得する労働者の代替業務
ただし、「3年を超えたから自動的に例外になる」というものではありません。実際に期間制限の対象外に該当するかは、派遣労働者の雇用形態や年齢、従事する業務の内容を確認して判断する必要があります。
派遣の3年ルールを適切に管理するには、事業所単位と個人単位の抵触日を分けて確認することが重要です。特に、派遣先企業では次の点を確認しておきましょう。
事業所単位の派遣受入開始日と抵触日を管理する
派遣労働者ごとの就業開始日と組織単位を確認する
3年を超えて受け入れる場合は、期限までに意見聴取を行う
抵触日が変更された場合は、派遣元へ適切に通知する
クーリング期間を3年ルール回避のために形式的に利用しない
期間制限に違反して派遣を受け入れた場合、労働契約申込みみなし制度の対象となることがあります。そのため、抵触日の直前になって確認するのではなく、日頃から派遣元と情報を共有しながら管理することが大切です。
派遣の3年ルールには、「事業所単位」と「個人単位」の2つの期間制限があります。どちらも原則3年ですが、対象となる範囲や延長の考え方が異なるため、分けて管理することが重要です。
特に派遣先企業では、事業所単位の抵触日と、派遣労働者ごとの就業期間をそれぞれ確認し、必要な手続きを期限内に行うことがポイントです。3年を超えて派遣を受け入れる場合や、クーリング期間・期間制限の対象外に該当するか判断する場合は、派遣元とも情報を共有しながら確認しましょう。

