外国人材市場はいまどう変わっている?2026年の動向と企業が押さえたいポイント
更新日:9月23日

外国人労働者は年々増加し、企業の人材確保において外国人材の存在感はさらに高まっています。制度や受け入れ環境も変化しているため、採用を検討する企業には、現在の市場動向を正しく把握することが重要です。
本記事では、2026年時点の外国人材市場の動きや制度の変化、企業が採用・受け入れを進めるうえで確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
目次
日本で働く外国人は増え続けており、外国人材は一部の業界だけの採用手段ではなく、企業の人材確保を考えるうえで重要な選択肢の一つになっています。
厚生労働省によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で過去最多となり、外国人を雇用する事業所数も37万1,215か所まで増加しました。前年と比べても、外国人労働者は約26.8万人増えています。
また、2025年末の在留外国人数は412万5,395人となり、初めて400万人を超えました。
こうした数字からも分かるように、外国人材を取り巻く市場は拡大しています。
ただし、変化しているのは人数だけではありません。特定技能をはじめとする在留資格の構成や受け入れ制度、企業に求められる採用・定着支援のあり方も変わりつつあります。
そのため企業には、「外国人を採用するかどうか」だけでなく、どのような人材を、どの制度で受け入れ、採用後にどう定着につなげるかまで考えることが、これまで以上に重要になっています。
外国人材の雇用は、一部の企業だけの取り組みではなくなっています。
2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人、外国人を雇用する事業所数は37万1,215か所となり、いずれも過去最多を更新しました。
特に外国人労働者の24.7%は製造業で働いており、産業別では最も大きな割合を占めています。

出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(各年10月末時点)をもとに作成。
2021年から2025年までの5年間で、外国人労働者数は約173万人から約257万人へ増加しています。
外国人材の雇用は、人数だけでなく受け入れる企業数も増えており、採用市場としての広がりが続いています。
一方で、外国人材市場は単純に拡大しているだけではなく、在留資格や受け入れ制度、人材の構成にも変化が起きています。次章では、現在の外国人材市場で起きている主な変化を見ていきます。
外国人材市場では、働く人の数が増えているだけでなく、在留資格の構成や受け入れ制度、企業側に求められる対応にも変化が起きています。
特に注目したいのは、次の3つです。
2025年10月末時点では、「専門的・技術的分野の在留資格」が86万5,588人となり、在留資格別で最も多くなっています。前年からも20.4%増加しており、外国人雇用の中心となる人材層にも変化が見られます。
技能実習制度は発展的に解消され、2027年4月から「育成就労制度」が始まります。新制度では、人材育成だけでなく、国内の人手不足分野における人材確保も目的として明確に位置づけられています。
外国人材の受け入れが広がる一方で、企業には仕事内容や雇用条件の明確化、職場でのコミュニケーション、生活面を含めた受け入れ体制など、採用後を見据えた対応がより重要になっています。
つまり、現在の外国人材市場は、「外国人を採用する企業が増えている」だけではなく、採用方法や制度、受け入れ方そのものが変わる転換期にあるといえます。
技能実習制度は見直され、2027年4月1日から「育成就労制度」へ移行する予定です。育成就労制度では、外国人を人手不足分野で受け入れながら、原則3年以内で特定技能1号水準の人材へ育成することが目的とされています。
企業にとって大きな変化の一つが、受け入れ後の育成や就労環境づくりがこれまで以上に重要になることです。育成就労計画では、業務内容や技能、日本語能力、受け入れ体制などが確認されます。
また、新制度では一定の条件を満たした場合、本人の意向による転籍が認められる仕組みも設けられます。そのため企業には、「採用できれば終わり」ではなく、働き続けてもらえる職場づくりや教育体制を整える視点も必要になります。
つまり、育成就労への移行によって、外国人材の受け入れは人員確保だけでなく、育成・定着まで含めて考える制度へ変わっていくと考えられます。

育成就労制度では、技能実習よりも「人材育成」と「人材確保」の目的が明確になり、企業には受け入れ後の育成や定着支援まで見据えた対応が求められます。
また、一定の要件のもとで本人意向による転籍も可能になるため、今後は「採用できるか」だけでなく、「働き続けてもらえる職場をつくれるか」という視点も重要になります。
特定技能制度は、人手不足が深刻な産業分野で外国人材を受け入れる仕組みとして、対象となる分野や業務の見直しが進んでいます。
2026年には、従来の分野に加えて物流倉庫、リネンサプライ、資源循環などを含む新たな分野別運用方針も整備されています。
企業にとっては、これまで外国人材を受け入れにくかった業務でも、特定技能を活用できる可能性が広がっていることを意味します。特に製造、飲食料品製造、物流など、人手不足が続く現場では、採用手段の一つとして検討する企業がさらに増えていくと考えられます。
一方で、特定技能は「外国人であれば誰でも採用できる制度」ではありません。
分野ごとに従事できる業務や技能水準、受け入れ企業側の要件などが定められているため、自社の業務が対象になるかを事前に確認することが重要です。
また、2027年に始まる育成就労制度は、原則3年間の就労を通じて特定技能1号水準の人材を育成する仕組みです。今後は、育成就労から特定技能へつながる人材の流れも、企業の外国人採用を考えるうえで重要になってきます。

育成就労は、特定技能1号への移行を見据えて人材を育成する制度です。今後は、採用時点だけでなく、その後の育成やキャリア形成まで含めて受け入れを考えることが重要になります。
外国人材の雇用は、単なる労働力不足の解消という短期的な視点ではなく、彼らが長期的に「この企業で働き続けたい」「ここでキャリアを築き、成長したい」と感じられるような魅力的な環境を提供できるかが、成功の鍵を握ります。
外国人材が「働きやすい」と実感し、多くの優秀な求職者から「選ばれる企業」となることは、企業の持続的な成長と競争力強化に直結します。そのためにも、まずは本記事で触れたような情報を参考に、自社にとって最適な受け入れ体制とは何か、どのような準備が必要なのかを具体的に検討することから始めてみてはいかがでしょうか。
外国人は、在留資格ごとに就労できる範囲が定められています。採用前には、在留カードや在留資格を確認し、実際に担当してもらう業務がその在留資格で認められているかを確認する必要があります。
特に特定技能1号では、受け入れ企業が支援計画を作成し、職業生活・日常生活・社会生活に関する支援を行う必要があります。自社だけで対応が難しい場合は、登録支援機関へ支援業務を委託することも可能です。
外国人材の採用では、入社までの手続きだけでなく、仕事内容や雇用条件を分かりやすく伝えること、相談できる体制をつくること、職場でのコミュニケーションを支えることも重要です。
採用した人材が長く働ける環境を整えることは、採用を繰り返す負担を減らし、安定した人員体制につなげるうえでも大切です。
外国人材の採用では、制度上採用できるかだけでなく、受け入れ後に安心して働き続けられる環境まで含めて準備することが重要です。
外国人材市場は、働く人の数が増えているだけでなく、在留資格の構成や受け入れ制度、企業に求められる対応も大きく変化しています。
今後は、育成就労制度の開始や特定技能の対象拡大により、外国人材を活用できる企業や業務の幅がさらに広がる可能性があります。
一方で、採用できるかどうかだけを見るのではなく、自社の業務に合った在留資格を選び、受け入れ後の育成や定着まで含めて体制を整えることが重要です。
外国人材を採用戦略の一つとして検討する際は、制度の最新情報を確認しながら、自社に合った受け入れ方法を選んでいくことが求められます。


